♪お毛毛♪プレゼンツちゅら劇場

ひまんちゅな♪お毛毛♪が贈ります暇つぶし小説です(笑) 書く技術なんてないんで、あまり内容はくだらないですが読んでくれる方々をほんわかさせればいいなと思っています。
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Posted by TI-DA at  

ファイブ1.5 最終話

プロの世界から正式にオファーが来た真は悩んでいた。

竜也に出会うまではプロの世界からオファーが来るなんて思ってもいなかったし、プロは遠い話だと思っていたからだ。

たしかに、竜也と出会ってから少しずつプロを意識して竜也みたいになりたいとは考えていたのはある。

今回のオファーもありがたい話だ。

ある日、真は竜也に相談した。

「監督、プロの世界はどうですか?」

「プロ。。。その前にお前はバスケが好きか?」

「はいっ!!大好きです。」

「実際、プロの世界は厳しいぞ!!活躍すれば好きなだけバスケで食っていける。しかし、活躍出来なければ白い目で見られる世界でバスケを嫌いになるかもしれない。それでも、お前はやれそうか?」

「やってやりますよ!!俺は監督を越えたいです!!」

「だったら、大丈夫だろう。」

「俺、実はどこのチームに入団したらいいか迷っているんですけど。。。」

「それはお前が決めることだ!!俺が決めることではない。」

それはそうだ。

自分自身のことは自分で決めるしかない。

しかし、両チームともオファーの回答期限が迫っていた。

「俺はどのチームに行けばいいんだろうか。。。?」

そんな時、たまたまテレビを付けたら福岡高校の西村の入団発表のニュースをやっていた。。。

西村の入団したチームは。。。

ドサンカーズ北海道

すぐに英里子に電話をした。

「もしもし、篠塚さんですか?先日オファーをいただいた、浦添東の仲村ですけど。。。」

「どうしたの?仲村くん。」

「実は。。。新城監督がプレーしていたドサンカーズさんに入団するか迷ったんですけど、西村と試合後に交わした約束を思いだし俺はシーサーズでプレーすることに決めました!!ほんと、オファーをいただいたのにすみませんでした。」

真は恐る恐る緊張しながら英里子に断りの電話をした。

すると、英里子は優しく

「そう。残念だわ。でも、仲村くんが出した答えだから仕方ない。これからはプロの世界、お互いライバルだから容赦しないわよぉ〜。シーサーズで頑張ってね!!」

これで、真の琉球シーサーズへの入団が決まった。

恭子に電話をして

「平山さん、これからシーサーズのメンバーとして期待に応えられる選手を。。。そして、最高のチームを目指して頑張っていくので宜しくお願いします!!」

「こちらこそ宜しくね!!シーサーズは新しいチームだけど、お互い頑張って最高のチームにしようね。」

こうして。。。

プロバスケットボール選手

琉球シーサーズの仲村真として新しいバスケット人生が始まるのであった。

ファイブ1.5 完  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 03:59
ファイブ

ファイブ1.5 最6話

試合後、会場を後にしようとした浦添東メンバーのところへ恭子が来た。

「竜也くん久しぶり!!」

「お久しぶりです。恭子さん!!どうしたんですか?」

「実はご存知のように沖縄でプロバスケットチームを作るんだけど、そのスカウトも兼ねて試合を観に来たの。」

「あっ、そうだったんですか。で、いい選手はいました?」

「その件で。。。仲村くんに話があるの。」

真は何のことかわからなかった。

「俺に話って。。。?」

「うちのチームでプレーしない?」

「はっ!?プレーって、プロでですか?」

真は恭子の一言に驚いた。

だけど、真にとってプロの世界でプレーが出来るチャンスが来て一番嬉しいことでもあった。

しかし、恭子の話は真には夢のようなことだったのですぐには返事はしなかった。

「まぁ、急な話だったんでね。後日、正式にオファーするわ。」

と恭子は真に言って会場を後にした。

その直後。。。

英里子が竜也に声をかけた。

「竜也、お久しぶり!!あの女性、琉球シーサーズのオーナーの平山さんね?」

「あっ、お久しぶりです。英里子さんと岡村ヘッドコーチ!!そうですけど。。。」

岡村が達也に聞いた。

「竜也、もしかして仲村くんにオファーかい?」

「はい。正式ではないんですが、うちの真にオファーをいただきまして。」

「やっぱり、仲村くんを欲しいのはうちだけじゃなかったか。。。」

「えっ!?ということは。。。」

そこへ、英里子が

「実は仲村くんに用事があって。。。仲村くん、うちのチームでプレーしない?」

真はまたもや驚いて

「これって夢じゃないですよね?」

真の言葉に真也が

「たしかに、急で夢だとは思うだろうけど俺はプロの世界で君を育ててみたいんだ!!」

英里子も

「君はいつかプロで活躍する!!だから、声をかけてるの。今度、正式にオファーするわ。」

信じられない真は

「ありがとうございます。」

とだけ返事をした。

後日、真に琉球シーサーズとドサンカーズ北海道から正式にオファーが来た。。。

第6話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 03:15
ファイブ

ファイブ1.5 第5話

第4クォーター開始。

開始早々、浦添東は攻めまくる。

メンバー全員が心を一つにして。

点を取れば相手も点を取ってくる。

初戦にしては中々の好ゲームになってきた。

竜也もベンチから

「油断するな!!ゲームだけに集中しろっ!!」

ブライアンも

「我慢です!!今は相手に勢いがあるぶんひとつのミスが命とりです!!」

コートでは。。。

真がメンバー全員に声をかける

「点を取ったら、すぐに守るぞ!!相手は西村だけじゃないからな!!」

序盤とは違ってきた真に福岡の西村が

「これはガチだぞ!!相手をなめなるな!!」

浦添東も徐々に点差を縮め残り3分で逆転に成功した。

しかも、両チームトリプルスコアで。

客席からこのゲームを見ていた二人がいた。

竜也の所属していたプロバスケットチームのドサンカーズ北海道のオーナー篠塚英里子とヘッドコーチの岡村真也だ。

「竜也も成長したな。こんなに素晴らしいチームを作るとは。。。最初、地元の高校で指導者になると言った時は驚いたけどさ。」

真也の言葉に英里子も

「まだ現役でできるからってフロント全員が説得したのに。。。でも、引退して指導者になっても竜也らしいわね。」

そして、真也は真を見て。

「あの仲村って選手は現役時代の竜也にプレーがそっくりだな。仲村くんを第2の竜也として育てたい。」

その言葉に英里子は

「じゃあ、西村くんと一緒に仲村くんもリストに入れてオファーを出します。」

と言った。

そして、試合は。。。

再び福岡が逆転して残り5秒。

111対110。。。

真がスリーポイントのラインからリングに向けてショットを放つ。

そして。。。

リングに嫌われブザーが鳴り試合終了。

結局、浦添東は福岡に勝つことは出来なかった。

しかし、終了後。。。

福岡の西村が真のところに駆け寄り

「俺が今まで試合した中で今日のゲームは最高だった!!次はプロの世界で勝負しよう!!」

と言うと真も

「俺も今日のゲームは色々と学べて最高だった。俺達のぶんまで絶対に優勝しろよ!!そして、次は必ずリベンジするからな!!」

一方、ブライアンは竜也のところに来て

「新城さん、あなたは最高の指導者だ。また、あなたのチームと試合できる日を楽しみにしてますよ。」

ブライアンの言葉に竜也は

「いやいや、俺はあの子達に色々と教わったんですよ。まだまだ半人前です。でも、いつかは最高の指導者になってブライアンさんのチームにリベンジしますよ。」

お互いに熱い握手を交わした。

そして、会場を後にしようとしあた浦添東メンバーのところへ。。。

「竜也くん久しぶり!!」

その声の主は恭子だった。。。

第5話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 02:35
ファイブ

ファイブ1.5 第4話

第3クォーター開始。

真の抜けた浦添東は自分達で考えてプレーが出来るようになった。

その光景をベンチから見ていた真は悔しさが滲み出ていた。

それを客席から見ていた一人の女性がいた。

プロバスケットチームに今シーズンから琉球シーサーズのオーナーの平山恭子だ。

恭子は言った。

「仲村くんは高校時代の竜也くんにそっくりね。」

そう言えるのも、恭子は若手実業家であり昔から有名なバスケ通でもあり、高校時代の竜也も見てきているだ。

実は竜也も高校時代。。。

相手に思うようにプレーをさせてもらえず伊佐に交代させらたのことがあるのだ。

それを見てきた恭子だから言えるのだ。

さらに、恭子は言った。

「仲村くんは必ず竜也くん以上の素晴らしいプレイヤーになるわ。」

そして、試合のほうは調子を取り戻した浦添東が猛攻に出た。

ベンチから見ていた真も気持ちが徐々に本気を出してきて

「いいぞ!!もっと点を取っていこう!!」

本気を出してきた真の姿をみた竜也が真に言った。

「さっきのようにはならないと誓えるか?」

「はい!!俺はまだみんなとバスケを楽しみたいです!!」

「わかった。じゃあ、準備しろ!!」

そして、真は再びコートに立った。

真は相手の厳しいマークにも耐えて自分のプレーを始めた。

少しずつ浦添東が福岡に追い付き始める。

この展開にブライアンは言った。

「とうとう、本気を出してきましたね。」

そして、西村が

「おいっ!!勝負はこれからだ!!」

そうして、84対70の福岡リードで第3クォーターが終わった。

竜也がメンバーに言った。

「ここからが本当の勝負だ!!行け!」

一方、ブライアンは福岡メンバーに

「みなさん、最初の言葉を忘れましたか?」

第4話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 01:44
ファイブ

ファイブ1.5 第3話

第2クォーター開始。

やはり、福岡高校は浦添東に思うようにプレーをさせてくれない。

それどころか、点差が開いていく。。。

「これが全国か。。。」

真が呟く。

そして、最悪な事態が。。。

浦添東のメンバーが自分達のプレーができない展開にイライラしてファウルが増えてきたのだ。

竜也がメンバーに

「今は我慢だ。落ち着いてプレーしろ!!」

ブライアンは

「これでうちの勝ちは決まりだな。」

と呟く。

もう、どうにもならない展開に竜也が誰もが考えていなかった行動に出る。

宏樹を呼び出しアップをさせ、真と交代させたのだ。

海斗は言った。

「なぜ、真を。。。」

竜也は言った。

「今のお前らは真がいることによって自分達のプレーが出来ない。だったら、自分達のプレーが出来るように代えただけだ。」

一番悔しいのは真だ。

全国の舞台で最高のプレーが出来ないのだから。。。

竜也は真に言った。

「真、今のお前は気持ちで負けてる。。。」

真は心を読まれたような顔をした。

これには、ブライアンも予想外だったようで

「新城ヘッドコーチは何を考えてるんだか。」

しかし、真が外れたチームは少しずつ自分達のプレーが出来るようになっていった。

思ってもいなかった展開に西村が

「みんな落ち着け!!」

福岡メンバー全員に声を掛けた。

そうして、63対39の福岡リードで第2クォーター終了。

第2クォーター終了後、真は竜也に言った。

「俺にチャンスをください。」

しかし、竜也は

「駄目だ。。。」

第3話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 00:50
ファイブ

ファイブ1.5 第2話

浦添東にとって初めての全国の舞台での試合が始まった。

福岡はブライアンの指示通りに真にボールを回させず、注目の西村を中心に全員が点を取っていく。

竜也は試合中にベンチから激を飛ばす。

「相手の思うツボだ!!全員でプレーしろ!!」

とは言われても浦添東はなかなか思うようにプレーが出来ない。

巧が

「完璧に俺らは読まれてる。。。」

それでも、真は

「気にするな!!俺らには俺らのやり方がある。まずは西村をマークだ!!」

しかし、序盤から福岡は西村を中心に次から次へと点を取っていく。

浦添東は西村を意識し過ぎてしまっている。

しかも、真にボールが回るとすぐにファウルされてしまう展開。

ブライアンは意味深に

「相手はうちのペースにハマったようだね。」

と呟いた。

竜也は

「ヤバイ。。。いつものプレーが出来てない。」

そうして、33対10の福岡リードで第1クォーターが終わった。

第1クォーター後、竜也はメンバー全員に言った。

「あの琉南戦での気持ちはどこに行った!!」

すかさず、巧が返した。

「俺ら読まれていつものプレーが出来ないんです。真にボールを回せないんです。。。」

この巧の一言に竜也は会場内に響き渡るように大声で怒った。

「お前らは全員でプレーしているんじゃないのか!!真にボールが回らないとプレー出来ないのか?俺はこの一年そうは教えてないぞ!!」

浦添東メンバー全員は竜也の言葉に何も言えなかった。

そして、第2クォーターは始まる。。。

第2話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月25日 00:08
ファイブ

ファイブ1.5 第1話

ついにやってきたインターハイ本大会。

県代表として出場する浦添東高校の初戦の相手は全国屈指の強豪校であり、今大会プロ注目選手の西村高広のいる福岡高校だ。

試合前、竜也はメンバー全員に言った。

「相手は強豪だからって気持ちで負けるな!!お前らは浦添東らしいプレーで堂々と勝負しろ!!」

「はいっ!!」

浦添東メンバー全員は竜也の言葉で士気が高まった。

そして、キャプテンの真が

「俺達はついに夢の舞台に来たんだ。全員が一つになってバスケを楽しんで来ようぜ!!」

「おうっ!!」

メンバー全員は円陣を組み心が一つになった。

一方、福岡高校は。。。

監督のブライアンが意味深に福岡メンバーに言った。

「相手は初めての全国大会。しかも、君たちのほうが実力が何倍も上だ。しかし。。。油断だけはするな!!相手は本気になればゲームで波に乗り勢いがあるチーム。予選で琉南を下したのも勢いだ。とくに、仲村だけには気を付けろ。。。」

ブライアンの言葉のあとに、キャプテンの西村が言った。

「ヘッドコーチの言うように、相手のキャプテン仲村真をゲームで本気にさせることによってチームが勢いづく!!実際、沖縄の強豪校はあの勢いに圧倒されて負けた。仲村にボールを回さないようにプレーすればいい。」

最後にブライアンが

「ファウルをしてでも、仲村にはシュートチャンスを与えるな。そして、第1クォーターから西村を中心に全員で点を取りに行け!!」

「はいっ!!」

そして、いよいよ試合が始まる。。。

第1話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2011年09月24日 23:33
ファイブ

ファイブ 最終話

第3ピリオド。

さらにお互いに試合はヒートアップしていく。

琉南は王者のプライド…

浦添東は打倒!!琉南!!…

もう、お互いの気持ちのぶつかり合いのようになっていく。

ついに、第3ピリオド終了間際に優が逆転のスリーポイントを決める。

そして、第3ピリオド終了。

竜也は部員達に言った。

「もう、最後のピリオドだ。第4ピリオドは思いきっていけ!!今まで悔しかった気持ちをぶつけろ!!」

第4ピリオドは始まった。

お互いに点の取り合い。

第3ピリオド終了間際に逆転したはずがすぐに返された。

しかし、すぐに浦添東もすぐに取り返す。

そして、第4ピリオド残り1分をきる…

87対90。

琉南リード…

優がドリブルから決めようとした瞬間…

相手の激しいファウル。

優は足をケガしてしまった。

竜也はすかさず宏樹を呼んだ。

「今のお前ならやれる!!思いきっていけ!!」

「監督、わかりました!!」

そう言って宏樹はコートに出た。

フリースローを2本決めて1点差。

そして、残り5秒で…

宏樹がドリブルからショットを…

ボールはリングに入った。

91対90。

試合終了。

ついに、浦添東は琉南に勝ったのだ。

「やったぞ!!」

竜也は思わず叫んだ。

「監督、俺達やりましたよ!!」

真が涙を見せた。

「お前らはやれば出きるんだ!!これがその証拠だ!!もう弱小じゃないんだぞ!!」

竜也のこの言葉に部員全員は嬉し涙を流した。

そして…

琉南の伊佐が竜也のところへきた。

「新城くん、君には負けたよ。僕は今まで生徒を信頼せずに駒だと思っていた。今日の試合は君から色々と学ばせてもらったありがとう。最高の試合だった。」

「伊佐先生、こちらこそ。この子達は決してダメな奴らじゃない!!信頼してあげるこそがいいんです。」

伊佐と竜也は互いに握手をした。

数日後…

浦添東高校の体育館に男子バスケ部の部員達の声がいつものように響き渡る。

次なる目標に向けて…

インターハイ本大会…

そして…

それぞれの夢に向けて…

ファイブ 完  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月09日 01:10
ファイブ

ファイブ 第9話

インターハイ県予選決勝リーグ第3試合。

相手は琉南高校。

浦添東高校男子バスケ部は打倒!!琉南!!にしていた相手だ。

「ついにこの時が来たぞ!!今のお前らは去年までのお前らとは違う!!琉南に絶対に勝つぞ!!」

竜也のこの言葉に部員全員…

「勝つ!!」

円陣を組んで心がひとつになった。

試合開始。

序盤から浦添東のメンバーは積極的に攻めていく。

しかし…

琉南も王者のプライドからか決死のディフェンスで中々リング下まで行かせてくれない。

しかし、浦添東は諦めない。

今の浦添東の部員達は諦めることなんて知らないからだ。

先に琉南に点を取られても攻めまくる。

第1ピリオドは琉南のリードで終了。

しかし、点差はすぐにでも逆転ができる。

琉南の監督、伊佐は序盤からこんな激しい展開になるとは思ってもいなかった。

「お前ら!!何やってる!!相手は格下の浦添東だぞ!!」

伊佐の怒声が会場内に響き渡る。

竜也は伊佐の怒声を聞いて本気になったなと感じた。

それは伊佐は竜也の高校時代の恩師だからわかること。

竜也の高校時代…

試合で負けている時に伊佐は怒声になる癖があったからだ。

竜也は部員達に言った。

「琉南を本気にさせたぞ!!だけど、お前らなら大丈夫!!俺はお前らを誰よりも信頼してるから。」

「監督、俺らは監督の信頼を裏切りませんよ。」

真はキャプテンらしく言った。

第2ピリオド、琉南のディフェンスは激しくなる。

ファウルの数も次第に増えていく。

しかし、浦添東は気にせずに攻める。

今までにない激しい試合。

お互いに点を取られたら取り返す。

油断したほうが負ける展開。

第2ピリオド終了。

53対57。

琉南リードで前半終了。

竜也は部員達にこう言った。

「今はリードを許してる。しかし、すぐに返せる。あと…お前らはバスケが好きか?」

竜也は急に部員達に問いただした。

部員達はあまりにも急な質問に驚いた。

そんな時…

「俺はバスケが好きです!!監督と出会ってやっとわかりました!!世界で一番バスケが好きだってことを…だから、今日は琉南に勝って監督に勝利をプレゼントします!!」

真が答えた。

「よし!!残りは楽しんでいけ!!」

第3ピリオドが始まる。

第9話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月09日 00:35
ファイブ

ファイブ 第8話

ついに来た。

インターハイ県予選決勝リーグ。

ここからはベスト4が1回戦総当たりの3試合だ。

ベスト4に残った学校は…

浦添東高校

南城高校

宜野湾工業高校

そして…

琉南高校

今回、琉南高校とは最後の3試合目に当たる。

第1試合は南城高校。

さすがに、練習試合とは違って最初から主力でメンバーを固めてきた。

しかし、練習試合での勝利があるせいか浦添東も自信がある。

試合が始まった。

さすがに、決勝リーグという舞台の緊張からか中々自分達のペースをつかめない。

しかし、ディフェンスでどうにかカバーして相手に点を許してない。

第2ピリオドまでロースコアの展開。

第2ピリオド終了後、竜也は緊張している部員達の気持ちを解した。

「お前ら、緊張してるだろ?こんな時はな…相手のマネージャーを見ろ!!」

そう言われて部員達は南城高校のマネージャーを見た。

思わず和也が…

「監督、南城のマネージャー可愛いっす!!」

「そうだろ?あの子はお前らのプレーを見てどう思ってるかな?かっこよく思わせたいんだったらいいプレーをしろ!!」

そう言われた部員達は第3ピリオド以降変わった。

自分達のペースに持っていったのだ。

終わってみれば…

80対70。

第1試合は浦添東が勝った。

琉南高校も宜野湾工業高校を相手に85対63で勝利。

勢いに乗った第2試合も宜野湾工業高校にも76対69で勝ち、琉南高校も101対72で南城高校に勝利した。

そして…

琉南高校と2勝同士の決勝リーグ直接対決。

「ついに、俺達が目標にしていた時が来たぞ!!琉南に負けて悔しかった時の借りを返すときだ!!思いきっていけ!!」

どの試合よりも竜也の声に闘士がみなぎっていた。

いや、チーム全体に闘士がみなぎっていた。

琉南高校に負けたあの瞬間からこの日を待ち望んでいたのだ。

“打倒!!琉南!!”

を目標に…

しかも、勝てばインターハイ本大会出場。

まさか、ここまで来るとは誰も予想しなかった。

だけど、浦添東高校男子バスケ部の部員全員はここまで来ないといけないと思っていた。

琉南高校に勝つまでは…

ついに、決勝リーグ第3試合が始まった。

第8話 終

  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月08日 02:03
ファイブ

ファイブ 第7話

インターハイ県予選準々決勝。

浦添東高校対沖縄実業高校。

試合は始まった。

第1ピリオドから接戦。

先に点を取ったのは浦添東。

しかし、すぐに沖縄実業も点を返す。

このようなゲーム展開。

さすがに実力校相手に浦添東は三回戦までとは違うように苦戦している。

第1ピリオド終了後…

「お前らさっきまでの意気込みはなんだった!!勝って琉南と試合するんじゃないのか!!」

竜也はゲキを飛ばす。

そのゲキが効いたのか、少しずつ自分たちのペースに持ち込もうとしている。

そして、第2ピリオド終了。

点差は3点…

沖縄実業高校に負けている。

しかし、部員達は諦めてなかった。

琉南に勝つまでは…

第3ピリオド。

優のスリーポイントから火がついた。

この試合、苦戦していたメンバー全員が目を覚ましたかのようなプレー。

まさかの沖縄実業高校ベンチも驚きを隠せない。

試合展開は見事に逆転したのだ。

強豪相手に積極的にプレーしている。

バスケの神が降りたかのように24秒以内にリングにめがけてショットを入れようとする。

顧問の琴美も思わず…

「そこから決めて!!」

熱くなっている。

いや、浦添東のメンバーどころか応援しているみんなが熱くなっている。

点が入れば歓声がスゴい。

浦添東のプレーはもう観客さえも巻き込んでいるんだ。

そして、試合終了。

83対70。

ついに、決勝リーグ進出を決めた。

竜也が監督に就任するまで勝ったことなかったチームが…

ついに県大会ベスト4になった。

中学生相手に接戦していたチームが強豪の一角を下した瞬間…

会場内は大歓声に巻き込まれた。

「ついに、決勝リーグだ!!」

竜也は言った。

「監督、まだまだですよ。俺達は琉南に勝つまでは負けませんよ!!」

真は言った。

「そうだな!!琉南に勝つ!!これこそが俺達の目標だからな!!」

実は一番誰よりも驚いたのが…

琉南高校の監督…

伊佐だった。

「まさか、あんな弱小チームが沖縄実業に勝つとは…」

伊佐は呟いた。

「しかし、あいつらは私の育て上げた選手達には勝てまい。楽しみにしてるよ。新城くん…」

意味深に伊佐は一人言を呟いていた。

第7話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月08日 01:23
ファイブ

ファイブ 第6話

インターハイ県予選前夜…

竜也は琴美に呼ばれて食事していた。

「島袋先生どうしたんですか?」

「いや…実は新城さんのことが好きです。情熱的なところにひかれました!!」

「えっ…」

「わかってます。フラれるの…でも、伝えたかったんです。」

「いや、先生の気持ちわからました。だけど、今はあいつらのことが大事でしょ?このことはインターハイが終わってからにしましょう。」

そして、インターハイ県予選当日。

この大会、琉南高校とは別ブロック。

ということはベスト4で争う決勝リーグまでは当たらない。

このブロックにいるシードは沖縄実業高校。

ここ数年、琉南高校と優勝を争っているチームだ。

そして、一回戦。

相手は具志川工業高校。

第1ピリオド序盤からこっちのペース。

第2ピリオド終了時には大差。

少し余裕を見せた部員達に竜也はゲキを飛ばす。

「油断だけはするなよ!!お前らの最大の相手はどこだ?」

全員同じ答えが。

「琉南です!!」

「そうだろ!!このゲームは勝って当然なんだ!!だから、勝ちにこだわれ!!」

その効果があったのか部員達は気を引き締め終わってみれば…

93対36。

一回戦は順調に突破。

続く二回戦、三回戦も勝ち上がり…

準々決勝の相手は沖縄実業高校。

この試合に勝てば目標にしていた琉南高校との試合が待っている。

竜也は部員達に…

「このゲームが次の決勝リーグへの登竜門だ!!それと同時にこのブロック最大のゲームだ!!このゲームに勝たなきゃ目標を達成するどころか、その舞台にも立てないんだぞ!!だから、暴れてこい!!」

「うぉー!!」

そして、真がキャプテンらしく…

「俺らは出来る!!絶対に負けねぇぞ!!」

真は誰よりもこの大会を楽しみにしていた。

ウィンターカップの県予選…

琉南高校の監督、伊佐に竜也が馬鹿にされていたのを近くで見ていたからだ。

あの日から絶対に勝つという気持ちが芽生えていた。

それは、真だけじゃない…

チームが強豪相手に負けたくない気持ちがここまで成長させた。

一年前まで弱小と言われたチームが県大会のベスト8の舞台に立っている。

勝てば決勝リーグ。

ついに、決勝リーグ進出をかけて沖縄実業高校との試合が始まる。

第6話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月08日 00:41
ファイブ

ファイブ 第5話

あのウィンターカップ県予選の2回戦の次の日からチームの目標は変わった。

“打倒琉南!!”

竜也は高校時代の恩師に対抗心を燃やし練習の指導に熱が入った。

部員達も竜也の気持ちに応えるように練習に今まで以上に熱が入った。

今までの練習とは違う強豪に勝つために。

そんな時、竜也に嬉しいニュースが…

佑樹が本格的に車椅子バスケを始めたのだ。

竜也は舞台は違うけどお互いに頑張ろうと誓いあった。

前よりも熱の入った練習に顧問の琴美も顔を出すようになった。

今までの顧問は練習に顔を出すどころか部員すらも把握していなかったのに、琴美は違った。

竜也の誰よりも生徒達への情熱に自分も顧問として頑張らなきゃいけないと思ったのだ。

そして、チームは琉南高校に勝つために心が一つになった。

そして、ある日の練習試合。

相手は琉南高校よりレベルは多少落ちるが県内では常にいいところにいる南城高校。

試合前、竜也は部員達に言った。

「この試合は練習試合とはいえ本気で行け!!相手を本気にさせろ!!俺達の最大の相手は琉南だからな!!」

「はいっ!!」

部員達は答えた。

試合は始まった。

第1ピリオドから積極的なプレー。

今までとは違う。

勝つことへの執着心がでてきたのだ。

コートもベンチも昔とは違って活気がある。

南城高校もヤバイと思ったのか練習試合には珍しく主力をコートに入れてくる。

それでも、浦添東高校の勢いは止められず終わってみれば…

84対65。

浦添東高校は確実に力をつけていた。

高い目標に向けて。

試合後にはミーティングをするようにもなった。

その日の課題点を挙げて全員で考えるために。

そこで、竜也は…

「この試合は勝ったけど俺は満足はしていない。」

竜也はプロで現役としてやっていた時みたいに熱くなっていた。

そんな竜也を見て真は思った。

「俺も監督みたいにプロの世界でプレーしてみたい。いや、監督以上になってNBAでプレーするんだ!!」

真は今まで以上に高い目標ができバスケに対する情熱も変わった。

チームは成長しながら、ついにインターハイ県予選をむかえるのであった。

第5話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月08日 00:01
ファイブ

ファイブ 第4話

ウィンターカップ県予選当日。

試合前に竜也がスタメンを部員の前で発表する。

「仲村 真

金城 和也

比嘉 海斗

仲宗根 巧

山城 優…

以上がスタメンだ!!ベンチはいつでもゲームに参加できるように!!あと、ベンチもコートを盛り上げろ!!」

このスタメンに不満な部員が…

「監督、いつも試合に出てる俺がなんでスタメンじゃなくて1年の山城がスタメンなんですか?」

と2年生の宏樹が竜也に食らいついた。

「そりゃ、ゲームを見たらわかるよ。」

そして、新生浦添東高校男子バスケ部の試合は始まった。

相手は糸満商業高校。

第1ピリオドはお互い互角の展開、第2ピリオドに相手ペースになったもののどうにかディフェンスでしのいで第2ピリオド終了時点で同点。

今までの浦添東にはなかった試合展開だ。

「この調子だぞ!!第2ピリオドは相手にペースを許したけど後半は恐れずに積極的に行け!!」

竜也はゲキを飛ばした!!

そして、第3ピリオド…

相手のミスも味方してショットが次々と入る。

その中でも優のショットのほとんどが入りしまいにはスリーポイントが連発。

終わってみれば76対45。

浦添東高校男子バスケ部初勝利だ。

宏樹にはなぜ優がこんなに成長したのかわからなかった。

わかったのは今の自分より優のほうが実力が上というだけ。

そこで、竜也は宏樹に言った。

「あいつは人一倍努力してるんだよ。」

「えっ…」

「優はこのチームが勝つために自分の役割を考えて、練習後も公園のリングにむかってショットの練習をしてたんだよ。それが今日の試合に役立ったんだよ。」

宏樹は自分の努力が足りなかったことを痛感した。

そして、2回戦…

相手は県内屈指の強豪である琉南高校…

竜也の母校でもある。

試合前、竜也は琉南高校の監督の伊佐に挨拶した。

「伊佐先生、よろしくお願いします。」

「これは新城くんじゃないか。まさか、ジャパンリーグのスター選手だった君が引退してこんな弱小チームの監督になっていたとはね。」

馬鹿にされたかのように笑われた。

竜也は教え子達が馬鹿にされてるようで悔しかった。
そして、2回戦の琉南高校戦…

結果は115対21。

大差で負けた。

一番悔しかったのは他の誰よりも竜也だった。

その竜也を見た部員達も悔しかった。

そこから目標が変わった。

第4話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月07日 23:17
ファイブ

ファイブ 第3話

あの竜也の監督初日から数日…

部員達は練習に参加するようになった。

キャプテンの真も。

ただ、練習に活気がない。

そんな中、練習試合の話を竜也が持ってきた。

相手は…

地元の中学生…

練習試合の相手に真は

「監督、俺達を馬鹿にしてるんですか?中学生相手に試合しろだなんて!!」

「お前ら中学生だからって馬鹿にするなよ。どこの高校にも勝てないんだったら中学生とゲームしたほうがいいじゃないか。」

「まぁ、トリプルスコアで勝ちますよ!!」

真は自信満々に言った。

そして、練習試合当日。

顧問の琴美が

「新城さん、中学生相手に試合しろだなんて酷すぎます。生徒達が可哀想です。」

「島袋先生、今の彼らの実力がこのゲームでわかりますよ。」

こうして、中学生相手の練習試合が始まった。

第1ピリオドの序盤こそは浦添東高校のペースだったものの…

その後の試合は同じペース。

終わってみれば75対70…

かろうじて勝ったものの、中学生相手に苦戦しどうにか勝利。

竜也はこの結果に…

「この結果、見たか?お前らは中学生と同じレベル。高校レベルの大会に出ても普通に負けるのはわかっただろ?」

「悔しいっす…」

真は言った。

「なんで、こんな結果になったかわかるか?」

竜也の質問に誰一人答えられない。

「お前らのやる気だ!!普段の練習もダラダラやっている結果だ!!こんなんで、試合に勝とうなんてあまいんだよ!!」

この日から部員達の闘志に火がついた。

練習もお互いが声を出し、竜也の考えた練習メニューにもついていけるように努力した。

その部員の中でも真は一番にキャプテンとしての自覚を持ち始めた。

キャプテンとして練習に一番乗りで体育館に来て自主的に練習していた。

そんな真を見て竜也は…

「あの中学生との試合の意味がようやくわかったみたいだな。」

「はい!!あの試合がなかったら変われなかった気がします。」

「悔しかったろ?」

「はい!!俺達は練習や努力の大切さを監督から学びました!!絶対に一勝します!!」

チームが変わりつつなったところでウィンターカップの県予選が始まった。

第3話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月07日 22:23
ファイブ

ファイブ 第2話

竜也は佑樹の所属する浦添東高校男子バスケ部の監督に就任した。

浦添東高校男子バスケ部は県内でも弱小…

おまけに生徒達が練習を普通にサボるなど酷かった。

誰も勝つことなんて期待していない。

竜也はまず顧問の琴美に挨拶をした。

琴美はバスケに関しては知識はゼロ、しかも新任教師。

「顧問の島袋です。うちの生徒達をよろしくお願いします。」

「こっちこそ、バスケの知識しかないのでよろしくお願いします。」

その後、琴美に連れられ男子バスケ部の部室へ。

部室に入ると…

そこは汚い部屋。

ずっと整理整頓もしてないんだろう…

道具も散乱している。

竜也はここから変えなきゃ変わらないと思った。

そう思いながら部員の前で挨拶。

「嘘だろ!?あの新城が俺らみたいな弱小バスケ部の監督なんてよ!!」

2年生の和也は思わず言った。

そこで、竜也は…

「君達が自分で言っている弱小を今日から変えるんでよろしく!!じゃあ、準備して体育館で待っといてくれ。」

と軽く皮肉っぽく挨拶した。

そして、練習…

しかし、練習に来ているのは数人…

思わず竜也は

「あれ!?さっき部室にいた人数より少ないんじゃないか?」

「あぁ、ほとんどが用事があるからって帰ったんですよ。」

2年生の副キャプテンの海斗が言った。

「いつも、こんななのか?てか、キャプテンもいないじゃないか?」

「いつもこんな感じですよ。キャプテンの真も毎日は練習に参加してないですから。」

海斗のサラッと答えたのに竜也はキレた。

「今日の練習は部室の掃除だ!!」

「マジッすか!?せっかく新城さんが俺達を指導してくれると期待したのに…」

1年生の翔太は言った。

「こんな酷いお前らにバスケットボールを触る資格はない!!まずは心を入れかえるために掃除だ!!」

竜也の浦添東高校男子バスケ部監督就任初日はこうやって始まった。

第2話 終  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月07日 21:25
ファイブ

ファイブ 第1話

「ドサンカーズ、新城引退!!」

プロバスケットリーグのジャパンリーグ、ドサンカーズ北海道のエース新城竜也は突如現役を引退した。

まだ、活躍できるのに…

周りは理由もわからないままに…

竜也の引退に世間は驚いた。

竜也の引退した理由…

それは…

ある少年との約束のため…

シーズンオフに竜也は地元沖縄に帰っていた。

その時、たまたま高校時代にバスケ部のマネージャーだった夏希から竜也のファンだという少年の話を聞いた。

その少年は夏希が看護士として働いている病院に交通事故で入院していて、バスケが大好きだけどもうバスケが出来ない身体になってしまったらしい。

そこで、その少年のお見舞いに行った。

「君が佑樹くんだね?いつも、僕の応援をしてくれてありがとう。」

「マジ!?俺、新城選手の大ファンなんです!!」

「交通事故の話しも、もう満足にバスケも出来ないって聞いたよ…」

「そうなんです…もう、大好きだったバスケも出来ないんです。めっちゃ悔しい…」

「出来ないって…車イスバスケとかあるじゃないか?」

「いや、俺はあいつらとバスケがまだしたかったんで…」

「あいつらって?」

「ちっちゃい時からのバスケ仲間です。同じ高校に入学するくらいずっと一緒にバスケをやってるんです。まだ、うちの高校は一勝もしていないから俺らが一勝してやろうって誓ったんです。」

「だから、悔しいのか…俺に何か出来ることないか?」

「勝たせてやってください。」

「もし、勝てば佑樹くんも新しい目標を見つけてくれるか?」

「…わかりました。俺、好きなバスケを車イスでもやります!!」

「じゃあ、男の約束だな。」

こうして、竜也は佑樹との約束のため…

佑樹の仲間とまだ見ぬ勝利を目標に、順風満帆な現役生活を引退した。

それは、厳しい生活の始まりでもあった。

第1話 終
  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月07日 20:10
ファイブ

遠距離 最終話

さくらはラジオで流れたメッセージを聴いて驚いた。

その後、嬉しくて涙が出た。

しかし、さくらは今すぐに大輔からのプロポーズに返事は出来なかった。

このまま宮古島へ行けるのかと…

数日間、さくらはこれから大輔とやっていけるのかと考えていた。

さくらは悩みに悩んだ。

そして、大輔からのプロポーズから数日後…

宮古島に大輔に内緒で来ていた。

そう、大輔へのプロポーズの返事のために…

その日は7月7日…

大輔と付き合ってちょうど10年の記念日。

大輔が店を閉めて片付けようとした時…

「すみません。」

「あの〜、もう…あれ?さくら…」

さくらは大輔のカフェに初めて来た。

大輔はさくらの為にコーヒーを入れた。

しばらく無言だったさくらが…

「今、あのラジオ番組を流して。」

大輔は店のコンポからラジオを流し始めた。

ラジオを流し始めと数分後…

DJが読み始めたリスナーからのメッセージ…

「大輔、ずっと返事してなくてごめんね。急だったから、何も考えられなくて…でも、本当は嬉しかった。ただ、これからも2人でやっていけるのかと心配で…」

大輔は何も言わずしっかりと聴いていた。

そして…

「私、大輔との遠距離をやめて宮古島に行きます!!」

ラジオから流れたさくらからのメッセージと共に西野カナの会いたくて会いたくてが流れた。

この曲をさくらがリクエストしたのは大輔への自分の今までの気持ちだったのだ。

さくらは大輔のプロポーズを受け入れた。

「本当にいいの?」

大輔はさくらに聞いた。

「大輔のことが好きだから、ずっと一緒にいたいから!!」

さくらは涙ながらに答えた。

さくらの涙は大輔と離れていた3年分の涙…

さくらは思いっきり3年分大輔の胸の中で泣いた。

そして、数ヵ月後…

あのラジオ番組で流れたメッセージ。

「私達、結婚しました。この番組で彼からのプロポーズを聴かなければ結婚できなかったと思います。ありがとうございました。」

遠距離 完
  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月01日 05:30
遠距離

遠距離 第2話

あの喧嘩から数日後…

大輔とさくらの関係は次第に悪化していた。

毎日のようにやっていたメールもしなくなり、2人の間に溝が少しずつできている。

そういう日々が続いていた時…

大輔はさくらに内緒で那覇に帰っていた。

大輔はあずさと会っていたのだ。

「最近、さくらの様子はどう?」

「いつも通りだよ。」

「いや、そうじゃなくて…」

「大輔が聞きたいことはわかるよ!!」

「俺達のことで何か相談された?」

「まぁ、さくらは微妙な関係って言ってただけで他は何も聞いてないよ。」

「あぁ、そうなんだ…」

「もしかして、この前に帰ってきた時に喧嘩したんでしょ?」

「実はそうなんだ…」

「やっぱりね!!」

「やっぱりって何でわかるの?」

「2人を見てたらわかるよ。で、どうなの?」

「どうなの?って?」

「だから、さくらと仲直りしたいの?」

「そりゃ、したいよ!!」

「大輔のダメなとこを言ってあげようか?」

「はぁ?」

「自分勝手!!」

「何が?」

「わからないの?さくらは本当は大輔と毎日会えなくて寂しいんだよ!!それなのに、大輔はわかってない!!」

「わかってるさ!!」

「わかってるんだったら、じゃあ何で宮古島で急にカフェをすると言ったり、たまに帰ってきてもすぐに会おうとしない?今日だってそうじゃん!!」

大輔は何も言えなかった。

結局、さくらには会わずに宮古島へ帰って行った。

数日間、さくらのことを考えていた。

そんな時、偶然に那覇に住んでいた時代にさくらとデートした時に聴いていたラジオ番組が流れた。

あの頃を思い出していた。

ふと、大輔の中で気持ちが固まりさくらにメールを送った…

「明日の19時からFMを聴いてくれ。」

さくらは何のことかわからないが、次の日に大輔に言われたとおりにラジオを聴いていた。

いつもと同じ内容…

そんな時…

DJが読んだリスナーからのメッセージ…

「さくら!!ごめん…いつも自分勝手で。さくらのことを大事にしているはずが傷つけていた。本当はさくらの気持ちを知らなかった。もう、さくらを寂しくはさせない!!さくら!!俺と宮古島で暮らそう!!」

最初はさくらは驚いたが、少しずつ大輔は本当は自分のことを考えていると知ったのだった。

そして、さくらは…

第2話 終
  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年07月01日 02:16
遠距離

遠距離 第1話

「さくら!!俺と一緒に宮古島で暮らそう!!」

ある夜、さくらは部屋で聴いていたラジオ番組から流れたリスナーからのメッセージが大輔から自分へのプロポーズだと感じた。

大輔とさくらは高校時代から付き合ってから10年…

遠距離になって3年…

大輔は宮古島。

さくらは那覇。

遠距離の3年間、大輔とさくらは徐々にこの関係がずっと続くのか不安になっていた。

大輔は月に一度那覇に戻ってくるものの、さくらにとっては寂しくなるばかり…

それは、大輔も同じだ。

お互いのメールと電話のやりとりが2人の関係を保っていた。

ある日、さくらは友人のあずさとカフェで過ごしてたとき。

「この前、大輔帰ってきてたらしいじゃん!!なんか言ってた?」

「いや、何にも…いつもどおりだった。」

「何それ?もう付き合って10年だし遠距離で3年なんだし2人ともケジメを着けたら!!」

「私もケジメを着けたいけど大輔が…」

「何を言ってるの?実は大輔は向こうで女ができたんじゃない?」

「絶対にそれだけはない!!」

だけど、あずさの一言にさくらは大輔に他に好きな人ができたんじゃないかと不安になった。

突然、仕事を辞めて島でカフェを開くと言って宮古島に行ってから3年…

今だにさくらは宮古島に大輔に会いに行っていない。

大輔が来てくれるばかりだ。

実は大輔も同じだった。

那覇に帰ってきたときに友人の総司と呑んでいて。

「お前、俺と呑んでるけどさくらちゃんと過ごさなくていいんか?」

「大丈夫!!さくらも久々にたまにしか会えない友人と呑みに行くぐらい許してくれるさ!!」

「そんなんか!?たまにしか帰ってこなくてさくらちゃんも寂しがってるだろ?」

「だから大丈夫だって!!いつもメールしてるしさ。」

「そんな問題か?お前も突然なんもなく宮古でカフェやるって言ってから3年…絶対にさくらちゃんも寂しがってるよ!!」

「なんだよ急に…」

「だから、早くケジメを着けろよ!!さくらちゃんは可愛いんだから他の男にとられるぞ!!」

「俺らの関係なんだからいいだろ!!さぁ、今日は呑もう!!」

大輔はさくらの事を誰よりも思っているけど、ケジメを着けるべきか迷っていた。

宮古島で開いたカフェも最近はうまくいっている。

もう、さくらと宮古島で暮らしてもいいかと…

ただ、あと一歩踏み出せなかった。

それは、さくらが自分のところに本当に来てくれるのかと…

さくらも那覇でOLとして順風満帆に働いている。

その生活を捨てて自分以外に知り合いのいない宮古島で一緒に暮らしてくれるのかと…

2人ともそれぞれが不安なままな気持ちで2人で過ごしてたとき。

「大輔、私のことどうおもう?」

「どうって愛してるよ。急にどうした?」

「そんなのじゃない!!この関係も含めて大輔の考えが聞きたいの!!」

「考えっていつも言ってるじゃん!!」

「だから、これからも遠距離の関係が続くのかわからないから!!」

「そこかよ!!大丈夫だって!!」

「ほんとに真剣に考えてる?」

「考えてるよ!!だから待っとけって!!」

2人とも久々に喧嘩した。

ただ、大輔はまだ一緒に暮らそうとはこの時に言えなかった。

その頃から2人の関係に色々と待ちかまえていた…

第1話 終。

  


Posted by ♪お毛毛♪ at 2010年06月14日 22:51
遠距離